やってみないとみることのできなかった景色

やってみないとみることのできなかった人生の景色を、私は今、この目で見ているのだな、とふと思いました。

 

カナダに来ると決めた時、あれは割と人生の転換期だったと今でも思う。

状況としては最悪で、当時のカナダ人の恋人は法律婚するつもりは全くなく。

博士課程はどん詰まりで、日本での就職先もなかった(目指すものも実はなかった)。

海外でのビザを取れる方法も年齢的にギリギリワーキングホリデービザは使えず(それがまた苦しい)、つまり行ったとて身分をカナダで確保するものがほぼない、という状況だったのであります。

カナダの大学院でやっていける授業料も奨学金も確保できず。

どうしようかな、というかこのままいても、消耗するだけだ、じゃあカレッジでギリギリ払えて、卒業後のビザで仕事確保していくしかない、しのごの言ってられんわい!

からのカレッジを見つけ、恋人には「私は私の道をいく、ついて来たかったら好きにしろ、もう貴様の状況を考慮してのことはしない」と言い放ちました。

一応一緒に暮らして‘、こちらでの事実婚ビザを申請するという方向性でしたが、全然当てにしてませんでした。

で、まさかのその恋人(現夫)からのプロポーズ。

「信用なるか、前金を契約しかかっている移民コンサルに貴様が払ってこい、私は出さない、話はそれからだ」

という切り捨てに、まさかの支払いで「あれ?本気…?」からの結婚式で。

じゃあビザの心配とりあえずないから、カレッジはとりあえずなしで、となり。

永住権は一年以内に獲得し、噂よりはずっと早く、側から見れば順調。

そんな永住権をこの前初更新して、あ、5年経ったんだ…と気づきました。

カナダに来てからは6年経ちました。

*更新については、システム上のトラブルはあったが、2週間で新しいカードが来ました。

 

やってみるまで時間がかかるものがほとんどで。

上の決断をするまでに、2年以上は悩んでいたし。

子供のことも、ウジウジ悩み切りました。

最終的には「もう守るもの、別にないし。やってみるしかない」というところまで悩まないと進めないんだな、自分。

だから、ジタバタするしかない、それをしないと、私は次へはいけない。

ジタバタしきって、もういい、自腹でもなんでも、切れるものはきる。

それで駄目なら、それまで。

お金でも自分の時間でも、とにかくどこかで損したくなくて、出し惜しみしている(本人はお得な方法を探しているだけだけど)時は、やっぱりなんかダメ。

でも、それをやり切らないと、腹を括れない、それが私。

 

でも、これまでの自分を振り返ると、

不思議と「やらなければよかった」と思うことはほとんどない。

 

私は、これからやってみないとみることのできなかった景色をいくつみていくのだろうか。

どんな景色を私はみていきたいのだろうか。

私だけが決められる、私だけの景色。

 

“等身大の自分で受け止めた経験だけが、うれしいことも、悲しいことも、かけがえのない宝物に変えてくれた気がする“

(北欧こじらせ日記 フィンランド1年生編より)

 

いや、宝物と呼ぶにはまだ早いこともあるけれど。

 


「私にできることはこれしかない」という自分がいつも自分を見ている。

そろそろ休職して2週間。

ちょっと人生を考える余裕が(焦りが?)出て来たこの頃。

書き出して書き出して、自分を見つけていくぞ。